City Commuterとしての電気自動車
2019.04.18
<https://chibira-imiev.blogspot.com/から転載し加筆編集。>
地方都市に住んでいると公共交通機関であるバスシステムはほとんど壊滅状態である。せめて一時間に一本程度あればよいが、昔の幹線路線でも朝夕の数便程度までになっている。一部の通勤・通学者以外は利用ができない状態になってしまった。
したがって、この辺では、一家に複数台の車を所有しているのは普通の光景である。
大体の家庭では、軽四輪が主婦の足である。当然遠出はほとんどしなくて、近所をちょこちょこ走るだけである。
したがって、電気自動車の普及は主に近距離走行を前提とした小型車から普及するとの意見を昔から持っている。無理にレンジを延ばさずに、小さなバッテリ、小さなモータ、小さな車体の電気自動車を日常の生活の足として、利用する。絞った仕様のため価格も安くできる。
充電は、家庭で200V 普通充電で対応する。ちょこっと走ったら、ちょこっと充電。
同じような考え方かどうか知らないが、マイクロEVというジャンルの電気自動車が今まで複数発表されてきたがどれもパッとしないように見える。様々な機器を省略し、安価に提供するというコンセプトでスタートしたと思われるが、思うとおりに推移していない。
横浜に住んでいた関係で、以前、日産の小型EVに乗る機会があった。
今は、レンタカーとして貸し出しをなされているが、以前はシェアードサービスの社会実験と称した活動があり、その”チョイモビ”の会員であった。
その車両を、真夏から真冬まで複数回利用してみた。
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問題点
1)真夏はくそ暑い。
路面のじりじりした照り返しに耐えながら、渋滞の道路を運転するのは、快適な
現代の車になれた人には相当苦痛である。エアコン(クーラー)はMUSTアイテム
である。
2)冬はくそ寒い。
こちらの方は、着込めばなんとかなる。Heaterがなくてもある程度、我慢できる。
凍える手には手袋をすればよい。
3)雨が降ればどうしようもない。
これは自動車の最大のメリットを放棄しているとしか思えない。
密閉式にすればいいのだが、曇りとかに対応するデバイスが必要になるだろう。
ここでもエアコンは必須に思えてくる。
4)ハンドルが重い。
パワステがついていないのである。男性であれば許容範囲であるかもしれないが、
女性は違和感が大であろう。
5)買い物の置き場所に困る。
二人乗ると荷物のスペースがほとんどなくなる。
買い物車としては致命的・・・
結論
帯に短し、襷には長し。
小型EVは一般には普及しない。
特殊用途ならまだしも、一般ユーザとして見た場合、趣味的な使い方以外に使い道がないような気がする。
20万円程度で、モーターバイクの代わりを狙うみたいなイメージしかわかない。
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軽四輪の電気自動車で導入初期を乗り切るシナリオが一番合理的と信じてからはや7年経つ。
しかしながら、現実はその通りには動いていない。最大の原因は、”そろそろ買ってみようか”と思えるほどの価格レンジに達していないことであろう。
i-MiEV程度の仕様で100万円になれば世界が変わりそう。
一番の戦犯はバッテリであることは言を待たない。
しかし、現在の自動車社会の様々な制約条件の一つが変われば、一気に変わってしまう可能性も感じる。
・バッテリ技術の進展
・厳しい環境規制
EUなどの国がこぞって内燃機関禁止の方向性を出してきだした。
・資源制約
・などなど
いつであるかわからないがいつの間にか大きく変わる気がする。